F次元のはじっこで

藤子・F・不二雄ファンによるブログ。ドラえもん関連の記事をかいてます。イラストサイト運営。
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覚悟はいい? 映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険を観てきたの巻

3月4日。今年もやってきた、年に一度のドラ祭り。
監督は、テレビシリーズでサイエンス描写に定評のある高橋敦史さん。

南極カチコチ大冒険という、一見かわいらしいタイトルとはうらはらにシリアスな予告編。
超オシャレなイメージボード。

というわけで、期待に胸を膨らませて観てきました!



---以下、ネタバレ---



はい好きです。カチコチ。
すっげー!

科学的解説がガチだった。すごくよく調べてて、それをわかりやすく、しかも正確に描写するぜ!というパワーを感じた。具体的な所はのちのち列挙するとして、こういった科学要素はすごくFイズムを感じる。わりとファンタジーに寄りがちなオリジナルドラ映画の中で、かなり健闘している。ほぼ完璧と言っていいと思う。

科学的根拠がしっかりしてると、観てて非常に安心感があるなぁと思った。

一方で、ヒューマンドラマは限りなく省かれてた。第一印象は「ドライ」だなと。無駄に上げ過ぎず下げ過ぎない感情の起伏が、なにかとウェットになりがちな昨今のドラ映画と比べて好印象だった。って、ウェットなのは渡辺歩監督の系譜だよね。とするとかれこれ二十年近くこのウェットさは続いてたことになるのか。
ドライな映画を観て感じたのは、感情を揺さぶられて疲れなくていいなと(笑)

登場人物の少なさも特殊。レギュラー陣5人に加え、人間タイプのキャラは2人のみ(回想でヒョーガヒョーガ星人がちょっと出るくらい)。両親すら一瞬。まあパオパオは沢山出るけど。重要なのは2匹だけだしな。「のび太の恐竜」より人物少ない。
ストーリーが時間軸を行ったり来たりして難解なぶん、キャラは限りなくコンパクトにしたんだろーか。結果としてはシンプルで良かったし、余計なヒューマンドラマを挟まずに済んで監督の意向ともハマってたし、何より南極という極寒で人気(ひとけ)のない舞台での孤独な冒険という感じがよく出てた。

あとは色彩の妙。氷がテーマということで、青と白を基調とした色作りがされてたけど、そこに、夕焼けのオレンジや紫、カラフルな古代都市、星空の輝きがすごく綺麗だった…そこだけ注目しても何回でも観返せそう。

今日までで2回観たんですけど、2回目はもっと楽しめた。なんだか見るほどに楽しめる気がする。明日、3回目に行くつもり。



雑感はこのへんにして、以下、箇条書きでつらつらと感想を書いていきます。




・かき氷食べたくて氷山に行く。海の霧からの氷山バーン!が未知の存在という感じが出てて良い。かき氷をたらふく食べたあとののび太の「地球全体が凍ってたらいいのに」みたいなセリフからのドラえもんのスノーボール・アースの解説。のちにまた復習してくれるのが親切。ドラ「昔地球は全体が凍ったことがあって」のび太「知ってる、マンモスとかがいた頃でしょ(氷河期のこと)」ドラ「それよりずっと昔、人間も生まれる前(全球凍結時代)」という何気ない会話も、よく考えられている。そう、ぼくらは氷河期は知ってるけど、全球凍結時代のことは知らない。それをのび太が代弁してくれてるからこそ、スノーボール・アース仮説への導入がスムーズにいくのだ!

・ドラミちゃんが氷難を予言するシーン。流行に乗りやすいドラミちゃんもかわいいが、このサイエンスゴリゴリな物語のきっかけが占いという迷信(実際には統計学だけど)というのが面白い。

・氷の遊園地を作るシーンがまさかのOP!こんな地続きなOPが!めっちゃ好み!こんなやり方があるんだなぁ。氷さいくごてを使うドラのびがすごい器用だし、氷が伸びたり解かされたりするアニメーションがめっちゃスッキリするしワクワク感が絶頂だった。あとOPの入りののび太のセリフ「さすがドラえもん!」で震える。

・一瞬で崩れた遊園地。早い。なんで氷山は崩れたんだろう。まあここはご都合主義。

・リングを見つけ、氷年代そくてい機で10万年前の氷で固定されたものだと判明。全球凍結に関する本を読んでると、地質学における年代測定はめちゃくちゃ大変な作業だと記されてるんだけど、そこはさすが22世紀のひみつ道具である。

・氷山が出来る過程のドラによる解説。断面図のアニメーションがすごくわかりやすいんですよねぇ…。「水飴みたいに氷が動く」という説明にのび太が食いついて、南極に着いてからもまだ執着してるのがまたい良いのだ(さっきから良いとしか言ってないな)。
ここのアニメーション、よく観てみると、南極大陸の地面を分厚い氷の底が引っ掻いて砕き、その破片が氷に飲み込まれて海まで動き、部分的に海底に運ばれてる。いやー、すごい。細部にまで「正確」な科学的描写をしているのには感服した。なんていうか、過去にその場所が凍っていた(氷河があった)かどうかを判別するための地質学的証拠となる地層(氷河堆積物)があるんだけど、その特徴は、土砂(細かい)と礫(大きい)が混ざりあっていることで、これは重たい氷河が地面をこそぎとって動いていたことに由来してるのだ。そして、ええと、うまく説明出来ないのであとは関連書籍を読んでください。
前夜にドラえもんが押入れで調べ物(たぶん氷山や南極のことだね)をしてるのが地味に好き。今回のドラえもんは博識である。

・南極へと冒険に出掛ける5人。空き地でどこでもドアを前に「覚悟はいい?」と笑顔で問いかけるドラえもんが最高。「覚悟」ですよ!南極だからね。死をも覚悟するのですよ!「準備はいい?」とかじゃなくて「覚悟」!

・南極での犬ぞりシーンがまたいい。植村直己の北極圏の冒険を彷彿とさせるほどのガチめな感じ。極地の綺麗さと怖さを描いていた。氷河のクラックに落ちたり(死ぬ)、ブリザードに吹き飛ばされたり。ドラえもんの「ビバークしよう」が良い。ビバーク!しかも説明無し!

・テントが飛ばされたドラに対して、氷ざいくごてで穴を掘るのび太が妙に冷静。今回、のび太は冷静ポジションだね。

・のび太は冷静なんだけど、小学生らしさをしっかり持ってるのが好印象。ジャイスネも子供らしい。去年の新日本誕生は大人過ぎた。宇宙英雄記は子供過ぎた。
「映画といえばジャイアンがかっこいい」とかいう一辺倒な意見をぶち壊してくれた。ジャイアンは星空のもとはしゃぐし、カーラに対して怒りをぶつけるし、リングは地球に返せと詰め寄るし、駄々をこねて泣く。等身大の小学生だった。関係ないけどジャイスネのバンジージャンプからのタケコプターはなんか面白い。

・パオパオめっちゃかわいい。モフ~
モフスケが最初のびドラに懐いているのが、後で伏線だったことに気づく。すげー。

・カーラは気が強いけどかわいいしとっつきやすいクセの無い良いキャラ。F作品の女の子キャラに共通する天然な感じがあって良い。関係ないけど最初言葉が通じないときに「ナンダーアレワー(何だアレは)」みたいなセリフがたしか聞こえたと思う。
シェルターでヒャッコイ博士と夕飯作る時のシーン、普段からああやって狭い台所で工夫して料理しつつフィールド調査をしまくってるんだろうなというのが想像できた。ジャガイモばかり食べてるというのも、どっかの恐竜化石探しの研究者みたいで雰囲気バッチグー。こういう「らしさ」の積み重ねが至る所に出てて、監督のこだわりと丁寧さを感じた。

・パオパオダンス(豪華版)は笑う。卑怯だぞ!でもなんかかわいかった。

・コンニャクがカッチコチなのも最高。その他、色んなものが凍結してて、寒さが伝わってきた。

・地底世界の人工的な空、そしてその色の変化がすごく綺麗で怖い。夜に追いつかれるという表現も素敵。

・ヒャッコイ博士によるブリザーガの説明。ドラえもんによるスノーボール・アースの復習。
古代ヒョーガヒョーガ星人は、住めそうな星々でブリザーガを造り、その星をまず凍らせたんだそう。その理由は、一度凍らせて、解けたあとに急激な生物相の変化があるから、と。地球のスノーボール・アースのそのせい?と思わせといて、実は地球にあるブリザーガは未完成だから、それ以外の原因で凍ったんじゃないかとヒャッコイ博士。
ここ、すごくよかった。ブリザーガというファンタジックな存在を持ってきて、凍る現象を分かりやすくしつつ、地球が凍った原因は別にあると、サイエンス的フォローをしっかりしてた。実際、地球が凍った原因は大陸配置やら大気組成などが複雑に絡んでてこんな映画で解説できるものじゃないけど、説明せずともサイエンスを否定しない表現は大事なのだ。

・スノーボール・アースの後に多細胞生物が登場し、のちのカンブリア爆発へと繋がったわけだけど、それを逆手にとって、人工的に凍結をさせて生物相を変化させてから移住するという古代ヒョーガヒョーガ星人の発想はすごい。しかも、それは「なぜこんな凶悪なブリザーガという兵器をつくってしまったのか」という動機として十分納得できるもの。「住むために凍らせたのだ」「凍らせたら住めなくなるじゃんか」という問答もいい。この映画、こうしたさり気ない会話が科学的理解度を上げてくれて、観客を置いてけぼりにさせないようしっかり計算されてると思う。

・謎のボムプディング推し。全キャラが食べてボウン→プシュー→満足げな顔。元ネタはなんだ?

・ヒャッコイ博士が人形を使って過去の冒険を語っているシーンは、こうした閉鎖空間で普段からこうして楽しみながら暮らしているんだろうなぁというのが想像できた。ヒャッコイ博士とカーラも仲良さそうだし。いいよなぁ、こういうフィールド調査。

・「さがし物ステッキ」は「たずね人ステッキ」とは別のひみつ道具なんだろうな。前者は物が対象で、後者は人が対象。ピョンピョン跳ねるし、感情もありそう。

・塔にて偽ドラと対決。塔を守るペンギン像が変身した姿。巧妙な手をつくして侵入者を阻むプログラムが組み込まれてるんだろうな。ほぼ侵入者なんて来ない南極の底の底でずっと待ってたと思うと、海底鬼岩城のお魚さんを思い出す。
偽ドラになって唐突にドラのびの友情的な話が出て来て、ここだけこの映画と作風が異なるんだよな。やるなら思いっきり感情をゆさぶってほしいけど、そこはドライなこの映画なので、ジャイスネも真ドラを冷静に疑ってくるし、のび太もまた決めかねる態度。解決後ものび太は泣かないし、ジャイスネも一言謝るのみ。すげードライだな(笑)
最初にこの場所に来た時の、氷漬けのドラえもんというビジュアル見せがまずあって、それを回収するためのシーンなんだとは思うけど、ちょっとここだけ瘤のように飛び出してる気もした。
でもかなり怖いシーンであるのは間違いなく、偽ドラの表情やらかわいそすぎる真ドラやらで、近くの子供が半泣きになってた。

・時間を行ったり来たり。タイムベルトのシーンでの秒針の音が、劇場内に鳴り響いてた。

・10万年分離れ離れになったドラのび。両者が時を超えてトリックを解く。のび太の察し能力は今作すごい。
初見だと、今10万年前なのか後なのか、理解できない子供も多そうだ。でも、それは決して難解じゃなくて、数年後成長した子どもたちにぜひ見返してもらって、こういうことだったのか!となってほしい。こんなことを期待できるオリジナル作品は初めてだ。

・10万年後の地底が氷の海に閉ざされていたのは、このブリザーガとの戦いで空にあいた穴から冷たい海水が落ちてきて固まったんだろうな。でもここで固まったリングと氷が未来に氷山として外部に出たということは、この都市と外部とはどっかで繋がってるということか。

・研究者2人とドラ達のあっさりしたお別れ。漫画でいうところの2コマくらいでお別れ。ドライである。良い…。
そして誰もいなくなる古代都市。現地人が誰もいないんだなぁ。この寂しさと氷の冷たさがすごくマッチしてるんです…。

・そして屈指のラストシーン。10万光年先のヒョーガヒョーガ星が、10万年と1週間未来である現代から見えている。南極の地底深くで出会った子が、遥か彼方の宇宙で、大昔に生きていて、それを今見ることが出来るというロマンですよ。「光年」という、時間と距離が合わさった単位の魅力をこれほどまで美しく描けるとは…!!しかもそれがあっさりしてるんですよね。屋根から空を見上げるドラのびと、「精霊よびだしうでわ」を彷彿とさせるセリフ。ああ!精霊よびだしうでわ!!!!!!まじかそういうことか…!




というわけで、思い出せる範囲でつらつら書いてみました。
こう書いていると、惜しい点というのがあまり出てこないなあ。初見時は、なんか言葉にしにくいつっかかりもあったような気がするんですが、2回目はもう文句なしで見れた。たぶん、CMやら広告で「ドラのびの友情」がクローズアップされてたのが、実際は冒険色が強いというあたりで拍子抜けしたのとか、いわゆる「感動演出」が無かったから例年と異なる感覚に襲われたんだと思う。
そういう意味では異色な映画だったけど、根本はこれ以上ないくらい王道な作風(原作的な意味で)で、僕はすごくハマった。ドラえもんはサイエンス!ということを思い出させてくれた。

鑑賞後、カチコチの良かったところを考えていたら、どんどん前作の新日本誕生の好きじゃないところが見えてきてしまって。なんというか、新日本誕生は最高だったんだけど、キャラの感情がウェットすぎるし、頬染めすぎだし、大人過ぎて小学生らしくないというあたりが実は自分は嫌だったのかも、と思ってきてます。カチコチはそれと対極にいってるから。
どの映画にも好きな場面と嫌な場面、好きな表現と嫌な表現はあるので、一言では言えないし、新日本誕生は全体として好きな映画なのでこれ以上語ることはやめとく。でも、このウェットが当たり前な昨今の映画ドラえもんで、ここまでにドライな映画を造りきったというのは本当にすごいし、これからの可能性も広げてくれたような気がする。本当に良かった。あと5回は観に行く!



最後に、来年の映画ですけど…海賊と航海がテーマ。
「南極カチコチ大冒険」のあとに「南海大冒険」だとギャグにしか思えないし、F先生の没後作品をそのままリメイクするというのはあり得ないと思う。やるなら、短編「南海の大冒険」を元にした、別方向でのオリジナル作品になると思う。それはそれで楽しみかも。新大魔境、新日本誕生と、原作そのままのリメイクが続いてた(どっちも八鍬監督じゃん:悪口ではないけど)中で、リメイクでもオリジナルでもないような作品がここで登場…と。また新しい感覚で映画を見れるような気がしてる。監督は今井一暁さん。

でも、これで海底鬼岩城のリメイクがまた遠ざかったと思うと、それはそれで残念かも。まあいつかやるでしょう。
といいつつ、来年のは海底鬼岩城+南海大冒険の折半のような内容だったらちょっと面白い、とかなんとか。

南極カチコチ大冒険

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パラレルソレイユ#7 冬コミ

こんにちは!イセです。

今年も、藤子不二雄トリビュートマガジン『パラレルソレイユ』第7号の執筆陣として
冬コミに参加します!

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イベント:コミックマーケット91
頒布日:2016年12月30日(金)
スペース:2日目・東テ-19a
ページ数:約100ページ
---



■表紙

なななんと、第7号では表紙を担当しました!

テーマは藤子不二雄(A)作品『まんが道』です。
既刊と比べ圧倒的キャラ面積の少なさ!風景画メインで攻めてみました。
この表紙にピンと来た方はぜひ手にとっいただければ幸いです。


パラレルソレイユ#7_表紙


表紙の担当は第1号以来3年目です。
この合同誌が生まれてからもうそんなに経つんですねぇ。


自分の絵のタッチはもとより、
高岡のふるさとギャラリーの開館やてんコミ新装版の相次ぐ発行など
藤子界隈の環境も目まぐるしく変わったように思います。
次に私が表紙を担当する頃はどうなってるんでしょうね!



■寄稿記事

本誌の内容について、
『全球凍結
仮説入門』というタイトルの、学習まんが6ページを描きました。

2017年春公開の映画『南極カチコチ大冒険』のキーワード「スノーボール・アース」が
気になって仕方がなくて、関連書籍を読んだのですが、
それをまんがにしてみたものです。

ドラえもんとのび太と一緒にスノーボール・アースを学びましょう!
全球凍結仮説入門


全球凍結仮説_コマ



冬コミ当日は残念ながら会場には行けませんが、遠方より、大盛況を祈ってますので
みなさんぜひとも本誌を手にとって楽しんでいただければと思います!

ではでは♪




パラレルソレイユ#6

こんにちは、イセです。

この夏もコミックマーケットにて、藤子不二雄の合同誌「パラレルソレイユ」に参加します!
なんと第6号なんですね~。
毎度管理・運営・編集してくださる主催のひぐちあき氏に感謝でございます。

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イベント:コミックマーケット90
頒布日:2016年8月12日(金)
スペース:1日目・東メ-40a
価格:600円
ページ数:90ページ
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→ 詳細はひぐちあき氏のブログ「新奏図録」にてご確認ください。


私は自分自身の体調不良の問題もあって、寄稿できるか不安でしたが
なんとか絵がかけるまで回復しました。。。
「FUJIKO・F RACING」「ぼくらの戦場」の2点、イラストを寄稿しております。
私らしいイラストに仕上がってると思いますので、どうぞお楽しみに^^

8月12日はパラレルソレイユのブースにてスタッフ側として参加する予定です。
当日、会場でお会いしましょう。

O次郎







史上最大の家出へ!映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生を見てきたの巻

3月5日、ついに今年もお祭りがやってきた。
映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生の公開日。

ドラえもんの映画を初日初回に見に行くようになったのはいつからだろう。
幼き日からドラえもんを追い続け、歳を重ね、2011年ごろから同志との交流を重ねるにつれ
どんどんドラえもんという作品にのめり込んでいる自分がいた。


というわけで公開初日初回に見てきた。
鑑賞後、あまりにも素晴らしすぎる内容に放心してしまい、
泣きながら笑って、焦点の合わない目で天井をぼんやりと眺めていた。

傑作がまたひとつ、生まれましたね。

細かい感想はTwitterに書き散らしてるので、とりあえず置いといて、
今回の記事には全体として思ったことを備忘録として書いておきたい。


1.表情やしぐさ
とにかくキャラクターの表情と動きがダイナミックだった。
のび太の泣き顔、ククルの決意の目。ワンパク三人組でやいのやいのするときのジャイアンの筋肉描写。とにかく見てて面白い。
表情なんかは、画面いっぱいに顔がうつるレイアウトが多用され、より強調されていた。
これ、今までのドラ映画であまり見なかったように思うのだけれど、そこも八鍬監督らしさなのかもしれない。


2.服装
今回、現代世界の描写は3日分あるが、それぞれ5人が違う服を着ていた。のび太に限って言えば、白服(腕にライン、胸に「N」)→黄服→水色服(胸にボーダー)という変化である。

日がかわっていることがよく分かるし、何より視覚的に楽しい。
しずかちゃんの2日目のピンクパーカーのかわいさといったら。

そういえば新・大魔境でも、のび太は黄色、赤色、水色の3色を着ていた。
八鍬監督は服にこだわりがあるんだろう。着たきりスズメが嫌なぼくにとってはとっても嬉しい。もっとやれ!


3.恐竜2006へのオマージュ
日本誕生という作品は、作者にとって新たなスタートをきる節目の作品であり、第一作目の恐竜の焼き直し的な意味合いをもつものである。
ペットとの交流、長距離移動、時間犯罪者とのバトル、その他細かな台詞の言い回しにもあきらかに恐竜を意識したであろう部分が随所に見られる。

で、新・日本誕生はどうだったか。
なんと恐竜2006のオマージュが盛りだくさんだった...!なんという粋な演出だろう。
家出を懐かしむのび助の優しい語り口調、
タイムマシンでのドラえもんの歯茎(当時衝撃的でしたね)、
中国大陸へ出発する時の主題歌オーケストラ版BGM、
スネ夫「食べるならジャイアン」、
T・Pの役割の低減という改変、
のび太「ぼくもがんばるからね!」
最後のT・P艦の時空移動の仕方。

「ぼくもがんばるからね!」は泣くわ。泣くよおおおお

あれから10年が経った。新しいドラえもんが始まってから色々と変わったところもあるけど、あの時のDNAが脈々と受け継がれているんだと感じることができたしぼくもがんばるからあああああああああああ!!


4.家出にはじまり家出に終わる
原作・旧作では、ペガたちとのお別れで締めくくられるが、新作ではきちんと家出で締めくくられていた。それだけじゃない、物語の随所に、のび太がまだしっかり家出中なんだと強調されていた。
ママの心情の丁寧な描写だけじゃない、のび太が遭難したときの幻覚シーンもそうだ。のび太が何のために家出をしたか、何をしようとしたか、そして、最後に何を得られたか。
原作にはない、けれども行間にはきっとあるものを、八鍬監督はしっかりと読み解き、今作に昇華した。

「ちょっと試したかっただけなんだ。」
雪に埋もれていくのび太を見ながら、僕は脳みそがどっかに持って行かれそうになるのを感じた。


5.原作にあるもの同士を結びつけること
ジャイアンの「俺はかあちゃんの奴隷じゃねーっつうの!」が伏線になるなんて誰が想像しただろう?原作では単なるかあちゃんの理不尽さとジャイアンの反発を表す台詞でしかなかったはずだ。
今作では、終盤、ヒカリ族が奴隷としてクラヤミ族に酷使されているに対し、救済のため思わず飛び込んだジャイアンの動機に結び付けれた。
「奴隷だけはゆるさねえ!」
かあちゃんへの台詞も、助けに飛び込みジャイアンの行動も、どちらも原作通りである。しかし、加えられた「奴隷だけはゆるさねえ!」により、両者が結びついた。
なんなんだ、八鍬監督...神様なんでしょうか....

今回、このような、原作にあるもの同士をむすびつけるための仕掛けが随所に追加された。さりげない台詞であったり、キーアイテムであったり。
家出、ペット、日本の歴史という要素が、こものすごく強固なつながりを持つこととなった。4章ともかぶるが、家出にはじまり家出におわるという大枠のなかに、うまく全要素が溶け込んでいた。
八鍬監督の日本誕生の読み込み量と再解釈のすばらしさに感謝の気持ちしかない。


6.T・P
まさかまさかのリーム、ぼん、ユミ子の特別出演だった。
3人のうちリームだけちょっと歳食ってる感じだったけどそこはどうでもいい。
T・Pぼん好きのぼくは発狂しそうだった。

単なるファンサービスとしての登場だったらここまで発狂はしないだろう。
映画ドラ他作品におけるT・Pの役割、すなわち「時間犯罪者を逮捕すること」であればT・Pがリームたちである必要はない。
しかし今作は、ペガたちがいる。ペガたち空想動物は、どの時代にもいてはならない存在。その説明をのび太に“無表情で”するT・P。その役割にリームほどの適役がいるだろうか?

T・Pぼんという作品において、T・Pの仕事は「歴史に影響しない範囲で人助けをする」というものである。その遂行のために、時に感情を捨て、一見冷酷なことをしなければならない場面がある。

ペガたちと暮らしたいのび太。
その気持ちは重々承知のうえ、それでも彼らを引き離さなければならないT・Pとしての任務。グラスの向こうにある、リームの心境がよく伝わってくる。そして、のび太が決別を決意したあとのグラス外しからの、少年の目線に合わせてしゃがみ、包み込むような目で対応するリームうううううううううううううううううううううううううううう!

泣くわ。

このへんの感情のコントロールや当事者とのやりとりがうまいからこそリームは隊長に昇格したんだろうな、とか妄想は広がる。

ついでにもうひとつ、
感情を押し殺して説明しなければならないシーンにおいて、グラスは重要な意味を持ってくる。T・Pぼん原作の前半にあって後半にないシリアスさは、グラスの賜物と言っていいだろう。
そういう意味において、新・日本誕生において、リームにグラスをかけさせたのはすばらしい判断だったと思う。加えて、リームがのび太にペガたちのことを語りに行くシーンのリームの無表情に加え、後ろに待機しているぼんとユミ子が帽子のつばをキュッと下げ、目を隠すしぐさ。ここに、八鍬監督がT・Pぼんも読み込んでることを確信した。

単なるファンサービスではなく、T・Pぼんの新作を作る勢いで彼らの物語をも丁寧に描いた監督に感謝しかない。

7.オープニング、エンディング
大杉監督、金子さんのパワー全開!だった。
これほどまでにOP、EDの両方に力の入った作品がこれまでにわさドラであっただろうか?
本編もさることながら、全部合わせて、わさドラスタッフ総力をあげて傑作をつくっていこうという気概を感じた。すごすぎた....。




とまあ、なんだかすごい映画を見てしまった。感想が「八鍬監督に感謝」に全部収束してて我ながら笑ってしまうが、そうなのである。
新・鉄人兵団で、わさドラの頂点を見た気がしていたが、まだまだなんのその、進化し続けるドラえもんを見ることが出来て、これからのファン人生がもっと楽しみになった。


今年は何回劇場に足を運ぶことになるんだろう。


あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます!

今年の年賀状は、はじめて「消しゴムハンコ」に挑戦してみました。
いきなり細かい絵にしてしまい、ちょっとガタガタしてますが、
その辺含めてけっこういい味出てますね。これはハマる。

年賀状2016

2016年がはじまりました。

一年の計は元旦にあり...
今年は、普段描いているイラストやデザインを
「自分だけの趣味以上」のものにしたいなと思っています。

夏にはコミケで個人誌(藤子本+風景画)を作りたいなぁ。
風景画をどこかに持ち込んで商売にできないかなぁ。
クラウドソーシングやってみようかなぁ。

決意して、実行すれば何かが動き出しそうな予感。


仕事の合間をぬって、Adobe製品のお勉強をしたり、風景画を着々と描いてみたり、
イラストやデザインに関する色々なことに挑戦していきます!

そしてそして、藤子ファンの皆さんは、変わらぬお付き合い、よろしくお願いします(^o^)


ではでは、本年もよろしくお願いします!

パラレルソレイユ#5 冬コミにて!

こんにちは。イセです。


2015年冬コミにて、僕も参加している藤子不二雄トリビュートマガジン『パラレルソレイユ』第5号が配布されます!

<詳細>
イベント:コミックマーケット89
頒布日:2015年12月29日(火)
スペース:1日目・西ぬ-15a
価格:800円
ページ数:116ページ(カラーページあり)

詳しくは主催者のひぐちあきさんのブログを御覧ください!
サンプルページもあるよ!
新奏図録

今回、わたくしイセは、『パラレルバイバイン2』と題して、6ページの4コマ漫画を寄稿しました。
ドラえもんでおなじみの「バイバイン」での、モノが倍々に増えていくテーマを、他の藤子作品にも適用したものです。

パラレルソレイユ第2号の『パラレルバイバイン』の続き、というわけではないですが、ちょっと関連してたりもしなくもないです。
前回よりもページ数、キャラ数ともにパワーアップしてますので、どうぞお楽しみに☆

↓1ページ目です。
パラレルバイバイン2

今回もサンプルページを見る限り、ファン仲間のアツくておかしいパワーがギュッと詰まった同人誌になってると思いますので、
ぜひぜひ、冬コミにて、パラレルソレイユのブースに足を運んでくださいね^^

残念ながらイセは今回は会場にはいけなさそうです。遠方より応援しています!

をのころミュージックさんのミニ・アルバムのイラストを担当しました。

こんにちは!イセです。

このたび、宅録Jpop系ミニ音楽レーベルをのころミュージックさんからのご依頼で、
ミニ・アルバムのジャケットイラストを担当いたしました!

七瀬ココミニアルバム「未来派少女ココ」特設サイト

藤子Fチックな女の子「七瀬ココ」と不思議系マスコットキャラクター「タマピュール」です。
ココは、ピンクと黄緑を軸に、活発でかわいい女の子をイメージして描きました。
タマピュールは音楽つながりでおたまじゃくし系キャラクターなんですよ♪
アイテムや背景は、レトロフューチャー感を意識しています。

楽曲はフリーダウンロードとのことです。
不思議な音響が楽しいですよ♪

みなさん是非、楽曲とともにイセのイラストもお楽しみください☆



未来派少女ココ

パラレルソレイユ4号

こんにちは、イセです。

この夏、去る8月15日の夏コミで、パラレルソレイユ4号に寄稿しました。
今回は時間がとれず、一枚絵のみの参加でしたが、
1号からの皆勤賞はとりあえず死守...ということで。

巻を追うごとに厚みが増し、読み応え抜群です。
まだお手元に無い方はぜひ主催のひぐちあきさんのブログから
購入してくださいね★

C88お疲れ様でした+パラレルソレイユ第4号 通販のお知らせ


ここらは雑感。

パラレルソレイユ、今回でなんと4号になりました。すごいですよね。
ぼくは3号からスーパーバイザーという謎の役職に指名していただいて、
まあ本番で売り子をしたり打ち合わせでチャチャ入れるくらいのことしかしてませんが、
少しでも自分が関わっている同人誌がこうして色んな人の手にとってもらえて、
そして続いて、他の参加者さんの愛を読めて、語り合える場があることが
とっても嬉しいです。

これがなければコミケという場に行くことも無かっただろうし。
それがまさかの売り子やっちゃって。
人生不思議なもんです。



本の内容も、偏りがあるところとか、愛が突っ走ってるところとか、
整理されてないごちゃまぜ感が、合同誌らしくて、いい。

1号に見られる、他の参加者がなにを描いてくるかわからない状態のバラバラ感。
2~4号に見られる、他の参加者に影響を受けたのがモロ分かるような不思議な統一感。
1巻ずつ、パラレルソレイユがじんわりと方向を見つけて変化し、歩んでいるのが分かる。



さて、近々北陸に引っ越すことになりました。

東京に居た1年半で、コミケには3回これたけど、今後どうだろう。わからないなぁ。
できれば、1年に1回は来たい。

そのときは...個人誌を出そう。
出したい、ではなくてね。

夢をもとう。
一歩進もう。

守り抜こう!日劇で映画ドラえもんのび太の宇宙英雄記を見てきたの巻

2015年3月7日、午前9時15分。
東京は有楽町駅、日劇!

ぼくは上京して一年目、ついに初日舞台挨拶にきた。
ブラウン管に映し出される映像を前に、どこか遠いところで行われているんだろうなと指をくわえていた舞台挨拶。就職で上京してして約一年。ついにぼくはこの場に辿り着いたのであった...!

そんな昂揚感を胸に、小雨降る中歩きなれない有楽町で多少迷いながらも会場入り。
ツイッターの気心の知れたファン仲間と落ちあい、喋り、各々の予約席へと向かう。
と思ったらすぐ斜め後ろの席に史官・Sun師匠2人が。ちけぇよ笑

まず映画を観て、そのあとマスコミさんの準備、そして待ちに待った舞台挨拶。
声優さんを生で見ることができて、非常に嬉しかった。木村昴氏と関智一氏、盛り上げ方がうまい。観客の叫びや拍手もより大きかった。

存在感を出していたのは観客の大きなおともだち。野太い声で「じずがぢゃ~~ん!がわいがっだよ~!!!」とか言うのでぼく爆死。一方声優さんはそういう叫びには慣れてるようで、返しもうまかった。
ちなみにそういうアツい人二人に挟まれた席でした...ぼくも来年はなんか叫んでみたい...いややめとこ。

舞台挨拶後はファン5人で近くのロッテリアへ。プチオフ会。感想大会というよりもドラえもん全般に関する話だったけど、楽しかった。オフ会は何回やってもいいもんだ。


とまあ前置きはさておき、観ました、宇宙英雄記と書いてスペースヒーローズ。
ドラえもん映画35周年、わさドラ10周年という冠を据えた作品ではあるけれど、
内容は、変に力まず肩の力を抜いて観られるものだった。




以降はネタバレ有りにつき、追記として書くことにする。


パラレルソレイユ第三号

こんにちは。イセです。

前回の記事で紹介したとおり、
藤子不二雄80周年記念合同誌「パラレルソレイユ」第3号で、
コミックマーケット87に参加します!

公式サイト(ブログ)はこちら↓
パラレルソレイユ第三号
みーやさんの素敵な表紙やサンプルページが見られます。
ボクが寄稿した「のび太の大長篇縦横断(ななめよみ)」の1ページ目も見られますよ~^^

スペース:2日目・西し-22a
頒布日:2014年12月29日(月)

当日はボクも売り子として現地に行く予定です。
ぜひぜひ、冬コミでお会いしましょう♪




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